夜職を続けていると、「手に入るもの」と「置いてきてしまうもの」が、どちらも確かにあるんだと実感する瞬間があります。
まず得られたものとして大きいのは、“人を見る力”です。お客様の表情の変化、声のトーン、間の取り方──そういった細かな空気の流れを自然と察するようになり、人付き合いが前よりずっとラクになりました。会話力や立ち回りも鍛えられ、どんな相手にも合わせられる柔軟さが身についたと思います。さらに、自分の容姿や振る舞いへの意識が高まったことで、前より自分を大切に扱えるようになったのもプラスでした。
一方で、忙しさや生活リズムのズレの中で、“普通の感覚”を少しずつ置いてきたような感覚もあります。深夜の生活が長く続くと、昼の友人と会う時間が減ったり、休日の過ごし方が限られたり、一般的な生活サイクルから少し離れてしまう時期もあります。
また、仕事柄「気遣うこと」「合わせること」が当たり前になりすぎて、プライベートでも感情を押し込んでしまうことが増えたのは、もしかしたら失った部分なのかもしれません。